参院選「47合区・定数1」も 有識者会議が検討

参院選「47合区・定数1」も 有識者会議が検討


写真=参院選にも解散風が吹き始めた

写真=参院選にも解散風が吹き始めた

有識者で作る日本選挙制度諮問会議は24日、「一票の格差」の是正に向けて「47合区」を柱とする選挙制度改革案をまとめた。政府に意見書として提出し、来夏の参院選までの公職選挙法改正を求めていく考えだ。

改革案は、参院選の全国47選挙区すべてを「合区」(選挙区を統合)するというもの。「定数1」となる見込みで、有権者の一票は同じ重さになる。最高裁から「違憲」と指摘されている現行制度の最大格差4.75倍は事実上解消される計算だ。

有識者会議のメンバーからは「そもそも選挙区という考え方が諸悪の根源。廃止して当然だ」という意見や、「強いリーダーシップのある政治家が1人選ばれれば問題ない。アメリカの大統領選挙と同じだ」という意見が出たという。

今回の改革案が成立した場合、来夏の参院選で選出される議員は1人。参院は3年ごとに半数が改選となるため、現時点で242人いる参院議員は2019年の改選後には2人となる見込みだ。

日本選挙制度諮問会議では、将来的に参院議員総数を1人とすることも視野に議論を継続する方針。1人で国会運営から審議まですべてを担うことになるが、「良識の府だからしっかりした人が選ばれるはず。大丈夫だろう」(関係筋)としている。

参院議員240人を削減できれば、諸経費を含めて年間250億円が節約できるとする試算もある。有識者会議ではこうして浮いた資金を積み立て、各都道府県に新国立競技場の10分の1模型を建設する計画も合わせて示している。