小笠原諸島の新島、名前は「義姉島」に決定


写真=活発な噴火の様子(気象庁ホームページより)

写真=活発な噴火の様子(気象庁ホームページより)

小笠原諸島・西之島付近で海底火山の噴火によって出現した「新島」について、小笠原諸島を管轄する東京都地理局は22日、「義姉島(ぎりのあねじま)」と命名する方針を示した。今月中にも国土交通省へ申請する。

噴火があったのは、父島から西に約130キロほどにある西之島付近の海域。20日午後4時ごろ、海底火山の動きを察知した海上保安庁のヘリが現場へ向かい、黒い煙と陸地ができている様子を確認した。2日経った22日現在でも噴火は続いている。

この島について小笠原諸島の地名を管轄する地名検討委員会(台東区)が21日に緊急の幹部会合を開いて協議した結果、同島を兄島の妻という設定で「義姉島(ぎりのあねじま)」と名付けることで一致した。広報官は「兄島もいい年だし、そろそろ所帯を持つべきかな、と。お合いだと思う」と理由を説明している。

小笠原諸島の島々の多くは家族にちなんだ名前が付けられており、父島、母島のほかに姉島、弟島、姑島、兄島、妹島、姪島などが知られる。新しい島は父島の近くにできたことから両者の関係を疑い、「継母島(ままははじま)」「女狐島(めぎつねじま)」と命名するよう主張する声もあったというが、「提案者の個人的な思想、家庭環境が色濃く反映され過ぎている」(広報官)との判断から却下されたという。

その他の候補には「次男島」や「次女島」「義妹島」など末っ子に関連したもののほか「男勝りで気が強いけど本当は弟島のことがほっとけない幼なじみ島」「平穏な家族の傍らに突然引っ越してきた謎の隣人島」「盆暮れ正月だけ挨拶する遠い親せき島」「内縁の夫島」「中島(磯野、野球しようぜ)」「光宙島(ぴかちゅうじま)」などが挙がったが、複雑な関係を招く可能性もあることから廃案となった。

「義姉島」の名は早ければ来週にも国土交通省へ申請され、認可されれば正式決定する。沖縄県の普天間基地の移設先として政府が検討しているとの一部報道もあったが、「『義姉島』の名にふさわしくない」として世論の反発は強まることが予想され、断念を余儀なくされそうだ。