ピラミッドを丸ごと消したマジシャンを逮捕 エジプト


カイロ警察は20日、ピラミッドを消したとして自称マジシャンの男(57)を逮捕したことを明らかにした。混乱が続くエジプトでは博物館の貴重な収蔵品が丸ごと略奪される事態が起こっており、警察では警戒を強めていた。

スフィンクス通信と複数の地元メディアによると今月15日、「男が呪文を唱えたらピラミッドが跡形もなく消えてしまった」と通報があった。警察が駆けつけたところスパンコールでギラギラと光るタキシード姿の男を発見、見るからに怪しかったためその場で逮捕した。

発表によると、カイロ市内のピラミッド3基をイリュージョンで消し去った疑い。警察は5000人体制で男のシルクハットやタキシードの袖などを調べたが、手品用のハト数羽と万国旗が入っていただけで、消えたピラミッドは見つかっていない。

調べに対し男は消したことを認めているが、「イリュージョンだから略奪や窃盗ではない」「どこに消えたかなどタネに関わる部分は教えられない」などと意味不明なことを供述。消失当時、現場には生中継のTVクルーをはじめ観客1000人がいたが、誰一人として消し方は分からなかったという。

警察によると、男はこれまでに自由の女神や万里の長城などの巨大建造物を消していたことが判明。いずれも数日で元の場所に戻っていることから、今回も数日で「出現」すると見られる。

犯罪と吉高由里子に詳しい帝都大学理工学部の湯川学准教授(物理学科)の話
「実に面白い」