40年前のコーラ瓶が「150万ドル」
オーストラリア・シドニーで、40年前に製造された空の”コーラ瓶”に、150万ドルの価値がつき、話題を呼んでいる。なんと、コーラ瓶のガラスの中に無数の小ダイヤが混入していたのだ。
そ のコーラ瓶を「発見」したピーター・マクワイルさん(24)は、そのときの状況をこう語る。「1ヶ月前に亡くなった、おじいちゃんの遺品を整理していたと きのことだよ。戸棚の奥に、隠すように置いてあったんだ。最初は単なるコーラの瓶じゃないか、なんて思ってたんだけど、そのすごい秘密を知ったときは気絶 しそうだったね」。
その「秘密」とは、なんとコーラ瓶のガラスに1~2.5カラットのダイヤが無数に混入していると言うこと。「最初は、ガラスの塊が入った汚い瓶だと思ったけど、母さんが瓶を見て『ダイヤじゃないの!』って叫んだのさ。慌てて、宝石商へ持っていったよ』。
宝石商の鑑定後、瓶は精密検査され、1964年製造のオージー・コカ・コーラ社製と判明。そのガラス内に、1~2.5カラットのダイヤモンドがおよそ200個以上確認された。この「宝石コーラ瓶」に含まれるダイヤの価値だけで120万ドル以上の値がつけられた。
なぜ、このような”前例の無い”品物がマクワイル家にあったのだろうか。それについての衝撃の事実は、この瓶の所有者だった故レイモンド・マクワイル氏の遺書によって明らかとなった。
遺 書によるとこの瓶の宝石は、1964年にシドニーで盗まれた「氷河の光彩」(239カラット)を、粉々に砕いたものだと言う。故レイモンド氏は、窃盗団のボスとしてこの犯罪を指揮、その後宝石の保管場所に困った 結果、「粉々にしてコーラの瓶に混ぜる」ことにしたとのこと。レイモンド氏は当時、コカ・コーラ社で働いていた。
「長い年月が過ぎ、私の人生も一時休むときだと思う。日が経つにつれ、窃盗の罪への意識は募り、気が付けば40年が経っていた。この瓶の秘密を公開し、もう一度明るい場所に出して欲しい」と遺書は締めくくられていた。
1964年当時、横領などで不評を買った政治家から「氷河の斜光」を盗み出した事件は、一般市民から英雄的な支持を受け、現在でも真犯人が不明のことから、世間の関心が高い。
警察は、時効などを理由に立件はしない方針。レイモンド氏の家族は、コーラ瓶を「宝石の持ち主は現在特定できないということなので、地元の博物館に寄贈する」ことにした。
瓶は最終的に、「『氷河の光彩』を破壊した結果と言うことで若干価値は下がるが、資料的価値が高い」として150万ドルの価値がつけられた。
ピーターさんは、「汚い瓶が、ダイヤ入りだと知ったとたん、芸術品のように美しく見えてきた」と言う。