霞ヶ関文学賞、大賞は「文科省怪文書」に
優れた官僚文書に与えられる「霞ヶ関文学賞」の選考会が9日、霞ヶ関で行われ、「文科省の怪文書」が大賞に輝いた。
選考委員からは「通常の霞ヶ関文学は難解だが、この作品には『生の声』がある。官僚の息遣いが新鮮」と評価されたほか、「政治主導を体現している」などの賞賛が相次いだ。
「日本国憲法」(1947年)などのロングセラーを生み出した霞ヶ関文学賞は、「一流官僚への登竜門」。72回目を迎える今年は全省庁から史上最多11654作の応募があった。ある選考委員は「今年はレベルが高い。メールや議事録、パワーポイントなど伝統にとらわれない作品が次から次に出てくる」と話す。
大賞賞金は100万円、副賞は天下り先だが、今年の受賞作は作者不詳。選考委員会は「本件については可及的速やかに協議し、特段の事情がない限りにおいて粛々と対応する」としており、忖度に基づいて作者や出所、入手経路の調査は行わない方針だ。