「シーン…」 沈黙の録音に成功、世界初 北関東国際大学
北関東国際大学の音響技術研究所(群馬県)は4日、世界で初めて「沈黙」(無音)の録音に成功したことを発表した。戸間末次郎教授らの研究グループによるもので、今月発売の英科学誌「オストアンデル」に掲載される。
沈 黙とは、「音のしない静まり返った状態」のこと。録音は音による空気の振動を記録するため、振動の無い沈黙の録音は不可能とされてきた。しかしある時、戸 間教授が寒いダジャレを披露した際に「『シーン…』という音が聞こえた気がした」(研究室の学生)ことから研究に着手。その結果、沈黙時にのみ振動する特 殊な周波数があることを発見した。この振動を増幅させることで録音を可能にし、人の耳で感知できるようになるという。
会見では録音実験も行われた。戸間教授が「トイレに行っといれ」と発言して気まずい沈黙を作り出すと、特製のレコーダーで録音。再生すると、1分近くにわたって「シーン…」という沈黙が流れた。
戸間教授は、「今回の研究で、マンガなどで使われる『シーン…』というオノマトペ(擬声語)が正しいことが実証できた」と話す。この技術を応用すればサイレント映画から音声を取り出すことも可能になるといい、実用化へ向けて技術の早期確立を目指すとしている。