「贋作は許さない」 芸術団体が小便器の製造中止求める
小便器は芸術家マルセル・デュシャンの贋作・違法コピーにあたるとして、国際的に活動する芸術団体ワールド・アーツ・カルチャー協議会(WACK)が、小便器を製造するT0T0(東京都)に対して製造中止を求める意見書を提出した。
WACK は、T0T0の製造する2種類の小便器(品番:R-MU、TT)について、「どこからどう見ても小便器。デュシャンが作った『泉』の唯一性を著しく侵害す るもの」と厳しく非難。その上で、「小便器を製造することは贋作を作ることと結果として同じであり、それによって企業が利益を得ることは許されない」とも 主張している。
1917年にフランス人のマルセル・デュシャンが制作した『泉』は市販の小便器にサインを入れたもの。発表直後から大きな話題を呼び、美術の教科書にも掲載されている有名作品だ。
意見書を受け取ったT0T0の広報部は、「世界中の便器製造会社から弊社を選んでくれたのは、それだけ弊社の便器が普及している証と受け止めたい」と前向きにコメント。しかしながら「製造中止の予定はない。水に流してほしい」としている。