名字、自由化へ キラキラ名字の懸念も
有識者で作る名字検討委員会(田中雅広委員長)は27日、国民が好きな名字を名乗れるよう法改正を求める提言をまとめた。「名字自由化法案」の実現に向けて関連省庁へ働きかけ、年内の成立を目指す。
この提言は、名字を「個人の好み」で変更することを全面的に認めるというもの。通常は、難解な名字や外国人が帰化した場合など「正当な理由」以外での変更は認められていない。
委員会は提言をまとめた理由について、「夫婦別姓が社会の大きな関心を集めているが、そもそも名字は生まれたときから強制的に決めつけられており、基本的人権や公平性という意味で時代錯誤と言わざるを得ない」と指摘。「本当の意味で自由な社会実現のためには絶対に名字自由化が必要だ」とした。
また、名字自由化が新たな市場を生み出す点にも言及し、「家庭内で名字が異なれば兄弟間の使い回しができず買い替えを促進したり、名字を変われば印鑑業界も活気づく。経済効果は1兆円規模になるはず」と試算している。
一部の保守派委員からは「親の自己満足的な名字、いわゆるキラキラ名字が増えるのでは」と弊害を懸念する声も上がったが、「現場はキラキラネームに対応できている。キラキラ名字も大きな問題ではない」という推進派の意見に押される形になったという。
また、名字自由化PRのために委員全員が「自分好み」の名字で活動しすることも決定した。田中委員長は以前から憧れていたという「勅使河原」姓を名乗る。「怒鳴怒(ドナルド)」「不死鳥(フェニックス)」という名字に決めた委員もいるという。