解禁日前に「冷やし中華」販売の経営者逮捕

解禁日前に「冷やし中華」販売の経営者逮捕


写真=松田容疑者が提供していた冷やし中華(千駄木署提供)

写真=松田容疑者が提供していた冷やし中華(千駄木署提供)

千駄木署は21日、全国一斉解禁日前に冷やし中華を販売したとして、飲食店経営・松田定照容疑者(43)を逮捕した。調べに対し「暑い日が続いたので出した」などと容疑を認めている。

逮捕容疑は今月15日、経営する中華料理店「松照軒」で冷やし中華(並・650円)を男性客に提供した、冷製中華麺フライング販売禁止法違反の疑い。日本冷やし中華協会の定める今年の解禁日は今月31日だった。

同署によると、パトロールをしていた警官が「冷やし中華はじめました」などと書かれたノボリを発見。一般客を装って入店し「冷やし中華はじまりました?」などと声をかけると、松田容疑者は悪びれた様子もなく「はじまりましたよ!」と応じたという。警官が決死の覚悟で実食調査を行い、酢醤油や錦糸卵、ハムを確認した上で現行犯逮捕した。

日本冷やし中華協会は取材に対し、「冷やし中華は夏の風物詩として7月の季語。暑さの厳しい日が続くが、解禁日前の販売は絶対に許されることではない」と断罪。千駄木署と連携しながらフライング販売の取り締まり強化を進めるという。

一方、関西では冷やし中華を「冷麺」と呼ぶことから問題が複雑化。韓国冷麺と見せかけつつ実際は冷やし中華を提供する、いわゆる「闇冷やし中華」が蔓延しているとの情報もある。同署は今後、「冷麺を注文したのに一口目に酢でむせ返る悲劇を起こさない」(捜査幹部)ため、「闇冷やし中華」の根絶にも全力を挙げる方針だ。