「まるで手品」 リングがつながる金環日食、21日朝にも全国で観測


写真=金環(かなわの)日食、2つつながったところ

写真=金環(かなわの)日食、2つつながったところ

太陽が月に隠れて出来るリング状の「金環」が、つながって見える「金環(かなわの)日食」。21日朝、日本の広範囲で観測できる。通常の日食と比べて極めて珍しい現象で、国内では1988年以来。今回は本州をはじめ、北海道や九州、沖縄でも観測が可能となっている。

「金環(かなわの)日食」は、通常の「金環(きんかん)日食」と異なり、リングが2つ重なるのが特徴だ。その様子が、リングのつながる手品「金輪の曲(かなわのきょく)」に似ていることから名づけられた。英名も、同様の手品から「リンキングリング・ムーン」と呼ばれる。

前回の観測では、最大5つのリングがリンク。そのため、2012年に開催されるロンドン五輪関係者が「直に観測することで成功に弾みをつけたい」と急きょ来日した。

詳しいメカニズムは不明で、手品に詳しい串目匡一さんは「金輪の曲もこの現象をモチーフに生まれた可能性がある。タネがわからないのも、まるで手品だ」と興奮を隠せない。日本奇術協会では観測される5月21日を「リンキングリングの日」と制定し、各地でイベントを開催する。

気象庁は「金環日食」を肉眼でじっくり見すぎるとネタバレする恐れがあるとして、直視しないよう注意を呼び掛けている。