ワシントンのカツラ、契約切れで起訴


アメリカ合衆国で250年以上続く、老舗カツラ製造販売「ウィリアムソン・カツラ商会」(マイケル・ウィリアムソン社長)がワシントン地裁に対し、「1ドル紙幣のワシントンの肖像画が着用しているカツラは、当初の契約どおり 2005年1月までが使用期限であり、現在まで使用するのは商標法違反」として政府を訴えた。精神的な打撃を受けたとし、契約違反も含めて1億ドル(約100億円)の賠償金を請求している。政府は、全面的に争う姿勢。

同社によると、1ドル紙幣に使用されているワシントンの肖像画は、1769年に同社が発売した「ダンディなあなたへⅧ型」という法律・政治家向けカツラをつけているとのこと。

「1ドル札が現在のデザインとなった1935年に、政府から『カツラをつけたワシントンの肖像画を使うから、とりあえず70年間はカツラの商標権も使わせてく れ』と依頼があり、私の曽祖父は許可しました。ですが70年後の今、私の元へは依頼がまだ来ていないのです!」(社長)

当時の契約では、70年後の2005年に新たに契約更改するよう取り決めたと言う。肖像画の描かれた当時、ワシントンはウィリアムソン・カツラ商会の常連で、数種類の候補の中からあの肖像画が選ばれた。「わが社の製品が紙幣になるとあって、一族総出で35年ははしゃいだそうです。ですが、国はカツラの商標権を踏みにじったのですよ」

アメリカ財務省のスノーマン管理次官は、「50年と言うのが一つの無効化する単位であり、既にカツラの商標権はフリーの権利となっている。よって、我々は何ら問題のある行動はしていない」と強気の姿勢を見せた。