Musical Batonの計画が明かされる


最近、世界規模でネットに広がっているMusical Baton。その発信元である、アメリカ・アップル社の広告経営統轄長ベン・カラスカ氏が28日、隠されていた計画について発表した。「最終的にはMusical Batonの通った方々のコンピュータをつないで、メロディーを奏でることができるのです」

現 在、世界中で製造・販売されているコンピュータのCPUには、必ず「分離式共鳴回路」(以下EXP)※が1つ埋め込まれている。EXPは、製造される環 境、温度、湿度などの微妙な差で、製品別にわずかな違いが生じる。分類すると88種類になり、あなたの使用しているコンピュータも88種類のうち1種類が 埋め込まれていることになる。

カラスカ氏は、この88種類のEXPに特別な文字列を通過させると、それぞれ違った音声が発せられることを知り、Musical Batonを考案した。「Musical Batonは、文章を『特別な文字列』で構成しています。ですから、このBatonを受け取ったコンピュータは、1つの音を出す鍵盤になるのです」

「88」と言うのは、一般的なピアノの鍵盤数。この偶然も重なって「世界鍵盤プロジェクト」は発信された。
「『今聴いている曲』『好きな曲』などの回答を集計し、同じ曲を選んだ人々の鍵盤を組み立ててその曲を奏でる」というのが最終目的で、来月には行われる予定。曲の「中継地点」となるユーザには、アップル社からメールが届くという。

全てのコンピュータに内蔵された回路を使用した新しい試みで、注目を浴びている。音楽を演奏すること以外の利用法も検討され、新時代のきっかけになるとの見方も強い。

※本来は、プログラムを滞りなく通過させる潤滑油的な役割を持つ回路で、1989年に世界コンピュータ審議会において全企業で導入することが決定された。日本では、87年以降の全製品が採用している。