日本で2枚目の「モナ・リザ」を発見?
今年9月に、”都内の個人宅から発見された”「モナ・リザ」(写真等非公開)について調査していた東京美術大学の鷹森健悟朗教授(西洋美術史)は22日、「2枚目のモナ・リザとも言える発見」と、驚きの結果を公表した。
同教授によると、この絵画は「年代鑑定により、モナ・リザの制作年とされる1503年から05年の作」になったと言い、また使用されている絵の具、劣化状 態、サイズ、画風、全体的特長などからしても「本家」モナ・リザ(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)と多くの点で一致するという。モナ・リザは世界中に「2枚目」という名の贋作が存在するが、この「日本のモナ・リザ」はダヴィンチ作の可能性が非常に高い。
この事態について、「モナ・リザについては、謎が多い絵画です。資料的には残っていませんが、同じ絵が2枚以上描かれ、そのうちひとつが日本へ渡ったと考えても不自然ではありません」と見解を語り、「モナ・リザ複数制作説」を展開した。
「今回の調査の結果、ルーブル美術館所蔵のモナ・リザと発見されたモナ・リザは、同一年代に同時に制作された可能性が非常に高く、2枚目のモナ・リザと断言できる域に達する大発見」と総括し、今後も調査を継続する方針を明かした。
問題の絵画は、今年9月、東京都内在住の会社員・峰村孝信氏の倉庫から発見されたもので、その「圧倒的存在感に導かれるまま」(孝信氏)に東京美術大学へ鑑定を依頼した。非常に保存状態は良好で、詳しい調査結果が注目されていた。
今回の調査結果は「ルネサンス美術史に於ける21世紀最初で最後の大発見」(ホイター通信)、「日本でモナ・リザは微笑み続けていた」(ニューヨーク・トゥデイ・ニューズ)と世界的に配信され、大きな衝撃を与えている。
ルー ブル美術館文芸員ドゥヴィヴィエさんは「2枚目の存在については、わずかな記述が残されていましたが、多くの人々は存在しないと思っていました。しかし今 回、日本で発見されたというニュースを受け、新しい常識が誕生しました。新発見への繋がりが期待されます」と驚きと期待を持って語った。
また、西洋絵画鑑定家の柏村富雄氏は「モナ・リザの価値は計り知れない。他の美術品とは一線を画すと言っても過言ではなく、今回のような発見はさらなる付加価値を与えることになった」と分析する。
なぜ日本の峰村孝信氏が所有していたかといえば、「詳しくはわかりません。ですが、祖父が明治時代にヨーロッパ担当の外交官であったことから、海外での仕事を終えて帰国する際に購入したのかもしれません」と、不明なことが多い。
今後、モナ・リザは継続した学術調査が行われるが、その後の扱いについては未定。所持しているのは峰村氏であり、販売権も同氏であることから、世界中から美術ブローカーの購入希望が届いているという。