ロボットの時間外労働「単月30時間」上限に

ロボットの時間外労働「単月30時間」上限に


有識者で作る「労働研究懇話会」は24日、産業ロボットの時間外労働について、上限を単月30時間とする方針を決めた。月内にも全国へ通知し、違反した企業には罰則も適用するという。

産業ロボットは近年、製造業を中心として急速に普及。24時間365日体制で稼働している工場も多く、AI(人工知能)の導入で人員削減・生産性向上に成功したケースもある。

しかし先月、フィンランドで開催された「国際ロボット人権フォーラム」でロボットの長時間稼働が「人権侵害」と非難。「労働環境改善を求める緊急決議」が全会一致で採択されるなど、世界的な関心が高まっていた。

対応を協議していた労働研究懇話会では、ロボットの時間外労働に単月30時間の上限を提案。人間がロボットの超過業務をカバーすることで「新たな雇用創出につながる」と主張している。

懇話会の出席者は「ロボットを効率的な労働力と考えるのは経営者のエゴ」と指摘。今後は「ロボットも有給休暇を取得しやすい環境づくり」を課題に議論していくという。