膝でフジツボの完全養殖に成功 栃木海洋大学が発表


写真=膝で養殖中のフジツボ

写真=膝で養殖中のフジツボ(栃木海洋大学提供)

栃木海洋大学の村田孝明教授(水産資源学)は5日、海辺に生息する甲殻類の一種・フジツボの完全養殖に成功したことを明らかにした。幼生から成体、産卵を繰り返す完全養殖の実用化は世界で初めて。

フジツボは「アワビの食感とカニのような風味」で知られ、珍味として人気が高い。しかし生態は謎が多く、人工飼育下で一定以上の大きさまで育てるのは難しいとされてきた。

村田教授の研究グループでは、日本国内に生息する数種類のフジツボを様々な環境下で飼育。その結果、尖閣諸島(沖縄県)の沿岸に生息するセンカクフジツボが、ヒトの膝の半月板に好んで定着・繁殖することを発見した。

その後も研究を重ね、膝を切開してフジツボの幼生を埋め込む方法を確立。食用に適した段階まで繁殖させてから再び切開し、半月板ごと取り出すという。海水と血液の成分が似ていることなどが成功の理由と考えられ、実験では1人の右膝で最大1500匹の養殖に成功した。

記者会見した村田教授は、「私のゼミ生の友人の彼女の姉の会社の同僚が、昨年の夏に沖縄の海岸で転んだそうだ。その時は膝の切り傷程度で気にも留めなかったが、しばらくしてから膝が痛いという。そこでレントゲンを撮ってみると、半月板にはフジツボがびっしり繁殖していた、という実話をヒントに実験を開始し た」と話した。

研究グループでは今後、この技術でフジツボの安定供給を実現したい考え。すでにアルバイト雑誌で「膝提供者」の募集を始めているという。