ロシアの市議会、宇宙への非難決議を採択 隕石落下で
隕石がロシアに落下し大きな被害を出したことについて、ロシア中部・ボルシチコフ市の議会は18日、宇宙に対する非難決議を全会一致で採択した。決議は「今回の隕石落下は、事前通告なしに行われた。被害の大きさも考えると、到底看過できるものではない」と指摘している。
ウラル地方・チェリャビンスク州に15日落下した隕石は、質量が1万トンを超え、負傷者1000人を出すなど被害は深刻。周辺の建物も損壊し、現在も復旧作業は続いている。
これまで宇宙からの隕石は、各国の宇宙事業担当者が宇宙と綿密にやり取りし、スケジュールを立てて行われてきた。しかし今回は誰もが予想していなかった突然の落下で、「我々としても寝耳にウォーターだ」(NASA担当者)と、驚きを持って受け止められている。
こうした事情を踏まえ、落下地点にほど近いボルシチコフ市議会は全会一致で非難決議を採択。いたずらに宇宙を刺激しかねないとの慎重な意見もあったが、不安を抱く市民の声を重視した格好だ。
決議では、「次からは必ず事前に教えること」「人がいない場所に落下すること」などを強く求めた。市の郊外にある国立天文台のパラボナアンテナから決議内容を電子記号に変換した電波を照射し、宇宙に努力するよう訴える。
この決議に対し、宇宙の担当者は「少し手が滑って落としてしまった。次からは気をつけたい」とコメントしている。