「斉藤」「渡辺」、まぎらわしい名字の表記一本化へ 文科省が検討


写真=斎藤の異字体の例

写真=斎藤の異字体の例

文部科学省の中央審議委員会(齋藤和夫委員長)は24日、表記にバリエーションのある名字について、漢字表記一本化の検討を始めた。斉藤委員長が明かしたもので、議論がまとまり次第、政府に働きかけて具体的な制度設計を目指す。

対 象となる名字は「わたなべ」「あべ」など7種類。その中でも重視されるのが、異字体を含め31のバリエーションがある「さいとう」だ。委員会では「斎藤」 「齊藤」「齋藤」「齋籐」「齎藤」などすべてを、最も普及している「斉藤」表記へ統一する方針。「濟藤」や「西藤」などやや特殊なアプローチの「さいと う」についても、「斉藤」に一本化する。

同じく「わたなべ」も表記統一を目指す考えだが、「渡辺」と「渡部」のどちらにするかで調整が難航。また、統一しても「結局は『なべちゃん』と呼ばれることになるのでは」という声も根強く、議論は長引きそうだ。

再藤委員長は、「社会生活の中でまぎらわしい名字に関するミスが頻発している。私の名字は齋藤であって再藤ではない」と話し、今回の措置はこうした間違いに対応するためと説明。総務省などとも連携を深め、戸籍など行政機関での表記統一へ向けた意見交換を活発化させる。

今後は「荻原」と「萩原」など「読み方が違うが似た漢字の名字」についても議論を深めていくとしている。