「電子書籍図書館」建設へ 東京ドーム10個分
2016年にも「電子書籍図書館」が建設されることがわかった。有識者会議が計画案を取りまとめ、年内にも着工予定だという。
電子書籍は近年急速に普及し、各メーカーが競って専用端末を開発。電子出版事業も成長を続けており、2013年度の国内市場は推計1000億円を突破した。
政府の推進する「クールジャパン」を牽引するマンガやライトノベルは新規参入事業者も多く、更なる成長が期待されるジャンルだ。また、海外からの配信作品に対して消費税を課税する制度が固まるなど、新たな財源としても注目されている。こうした現状を踏まえ、有識者会議は「電子書籍を日本の文化的資源」にすることを目標に掲げた。
計画案によると蔵書数は1000万冊を予定し、総敷地面積は50万平方メートルで東京ドーム10個分に相当する。建設予定地は東京湾を埋め立てて確保するとしており、現時点では江戸川区の葛西臨海公園周辺を候補地に挙げた。設計は新国立競技場を担当者らに打診しており、外観は「時代を超越するエネルギーをイメージしたパワースポット」をテーマに依頼するという。
内部には1000カ所の閲覧ブースを作り、利用者が落ち着いて電子書籍を楽しむことができる。さらに10億円を投資して開発した電子書籍専用書棚の設置や、書庫を2000部屋、日本各地の郷土料理を楽しめる飲食スペース、読書に疲れた体を癒す温泉やトレーニングジム、居住スペースなどを備える予定だ。
また、電子書籍を印刷してスキャンすることで電子書籍に戻す体験コーナーや、電子書籍をモチーフにした現代アートを設置するなど、あらゆる設備を充実させるという。有識者会議では総事業費を1000億円と試算し、特別予算を計上すべきとしている。