カワノ自動車、英語の車名を廃止へ


カワノ自動車(東京・川野義雄社長)※は28日、自社の販売する一部製品の商標登録に関して「英語・外来語の表記を廃止する」と発表した。「近隣諸国と比較して、対等、またはそれ以上の愛国精神の樹立」(中田浩輔専務・談)を目指したもの。「近隣諸国」が何を指すのかについては明確な表現を避けた。

今回の決定は、同社が主力として展開する自動車事業が対象。自家用車である「クラウシー」の商標を「神光」、「ゼウシア」を「武電」、「アレグロ」を「紫電三号」などと改称する。さながら戦時中の戦闘機並みのネーミングに、激しい批判が相次いだ。

「こんな行動で愛国心の教育など馬鹿げている。間違った愛国主義のトップランナーか」―田中光・現代社会学博士

「おかしすぎる。反日で燃える「近隣諸国」にわざわざ油を加えているようなもの。『加油』(中国語で「がんばれ」)してどうするのか」―岩村憲一・政治評論家

「日本政府が最も警戒していた、企業レベルでの『反「反日」』運動が実現に」―兼岩正二・中国社会論博士

同社はこれらの批判を受け入れず、来月初旬にも商標登録を行う予定。

ア ジア諸国へ工場を進出させ、現地でも安価で販売されている「KAWANO」ブランドの今回の決断は、アジア経済に少なからず波紋を起こしそうだ。また、今回の発 表を受けて「経済流通研究所」が即時、一般市民500人に行ったアンケートの結果、90%以上が「不快感を覚える」とし、業績悪化は避けられそうに無い。

政府は、これまで通りに中止勧告を行う予定。だが、わざわざ利益の激減が予想がされるほどの決定だけに、カワノ自動車側も相当の覚悟があると見られる。

他の改称予定
「軽自動車・ロボレ」→「軽自動車・天下」
「シンフォニー」→「風雷」
「エスティメール7」→「大東亜七号」

※ カワノ自動車 現社長の川野義雄氏の祖父、志信氏が1920年に機械修理工場を創立。55年、息子の義介氏が自動車製造業に転換し「カワノ自動車」に。89年に義雄氏が社長に就任した。川野一族の愛国精神はすさまじく、これまでも過激な方針をいくつか発表したものの、すべて政府の勧告で中止している。