身を危険にさらす芸術?


鷹森美術館で開かれている『「最初で最後の現代アート」展』(4月25日まで)。世界各国の芸術家19名の「現代アート」が200点以上展示されていて、わずか5日で入場者8000人を超えた。

まず、写真を見て欲しい。ぱっと見たところ、ただ上空から地面を撮影しただけだと思われるだろう。だが、この作品は写真ではない。「観客参加型アート」だという。

小さな部屋に開けられた穴から見た風景を撮影したもののようだ。観覧者は「展示室」に入ると、部屋の中央にある四角形の穴に気付く。近づくとそこには金属製の橋が架かっていて、渡りながら地上を眺めることが出来る。そして、橋を渡る観覧者は手すりに書かれた言葉を発見する。

「この橋は、手すりのボタンを3つ押すと落ちます」

観覧者はこう考えるだろう。これは本当なのか? 嘘なのか? まさか、美術館がこんな危ない装置をつけるはずが無い。でも、本当だからこそこんな注意書きを?

ある者はボタンを1つ押し、またある物は2つ。全く押さないまま渡る者もいるし、全て押してしまう者もあるかもしれない。実はこの橋がある部屋自体が「作品」で、日本人の大野タダマロ氏が出品。『天空から見た自宅』というもので、「見る人の葛藤を表現したかった。自分の命と好奇心の背比べ」と説明する。

展示直後から賛否両論を呼び、「狂っている」「新感覚を超えた超感覚作品」というコメントの嵐。なんと、実際に3つボタンを押すと橋が外れる仕組みになっている点も議論の的だ。

この作品は今までに14人が落下したが、実は下に見える風景というのが液晶ディスプレイに映った映像のため、けが人は無い(明かしていい事実なのかはわからないため、この文は削除する可能性があります)。

人権団体が14日に大野氏らに抗議文を送り、16日には国会でも扱われたこの「作品」。波紋はまだまだ広がり続けている。