オハイオ州、競売へ出品される
ネット競売の大手、B−bay(アメリカ)に9日、アメリカのオハイオ州が出品され、波紋を呼んでいる。昨夜10時42分にオハイオ州が「1ドルで出品」されて以来、500件を超える入札があり、価格は現在10万ドル(約1200万円)。
B−bayの出品規定は厳しく、なぜ今回の事態が起きたのかは不明で、システム上「一度入札のあった物は、出品者が取り消すか、誰かが落札しない限り削除はできない」(関係者)という。
最初にこの「商品」に入札したオハイオ州の学生、レイモンド君(17)は言う。「びっくりしたさ。ネットを見ていたら、自分の住んでる州が”1ドルから”で売ってるんだ!自分のオハイオでの生活を守るために、貯金をはたいて200ドル入札したよ」。
これをきっかけに入札が増加。現在では価格は10万ドルとなっていることについては、「もう僕には買えないよ。オハイオ州知事が買ってくれないかな」と不安を募らせている。
気になる出品者は、トムと名乗る47歳の男性。公開プロフィールには、「オハイオ州公務員の47歳・男性」とあり、オハイオ州の身内の人間だと言うこと以外明らかになっていない。「オハイオ州です。産業はあまりないけど、ヴァージニアよりはいい州じゃないかな」とのコメントが添えられ、入札期限は15日正午までとなっている。
入札者の質問「本当に買えるのか?送ってくれるのか?」に対し「大丈夫。オハイオ州はクールで送るよ!」という返信があって以来、一切の応答はなくなっている。
オハイオ州は「出品される義務はない。落札される義務はない。如何なる場合にも、落札者にオハイオを渡す義務はない。我々はB−bayと出品者の訴訟を考えている」との声明を出した。また「トム氏の早急の確定を急ぐ」ことを明かした。
B−bay側には、オハイオ州知事名義で「即刻出品削除」を求める意見書が届いたと言うが、いまだ対応はない。入札の一度でもあった商品の規定では、「出品者からの出品削除、または最終落札者が出品者との綿密な懇談の結果、契約を破棄する以外、返品ならびに削除はできない」としている。