東京ガスの放送中止CM、「起業」篇がスタート


就活中の娘と母の繊細なやり取りを描いた東京ガスのCM「母からのエール」篇について、続編が公開されることがわかった。このCMは批判が殺到し放送中止に追い込まれたという情報が流れ、ネット上で話題を呼んでいた。

問題となった「母からのエール」篇は、何度も就活に失敗する娘と、自宅で料理を作って温かく待ち続ける母の日常を丁寧なタッチで描く。大手広告代理店が制作し、先月20日から全国で放送を開始した。

「感動した」「こういう現実も直視しないといけない」などと概ね好意的な意見が寄せられたが、ラストに娘が就活に失敗するシーンで終わることを問題視した「日本の未来を憂う市民の会」「就活生を見守る会」「テレビCMの低俗化を監視する会」「日本禁煙研究会」「安倍内閣の暴走を許さない有志の会」などが批判文を提出していた。

批判の殺到を受けて東京ガス企画広報部では放送中止を決定、今月から同CMは流れていない。また、「ハッピーエンドで終わるべき」との指摘を最大限尊重し、就活に失敗した娘に東京ガスの内定を打診したが断られたため、彼女自身が苦しい就活を経験する中で本当に自分自身がやりたかった夢に気付き、クラウドファンディングの会社を起業し事業を軌道に乗せ、次なる目標としてカンボジアに小学校を建て、果ては宇宙開発事業へ乗り出すまでを追った「夢、自立、世界…そしてその先へ」篇を制作することを決めた。

東京ガス企画広報部では「批判は先鋭化したものがほとんどだったが、意見として尊重した」とコメントした。CMと批判について詳しい東京蟹術大学の内野道彦教授は「最近は批判がエスカレートしている。映画版のルパンも犯罪を助長するとして職業が泥棒からスポーツインストラクターに変わったように、クリエイターは批判ありきで企画する必要がある」と指摘した。