田口壮が直木賞


写真=受賞作

写真=受賞作

今日、文藝春秋主催第132回直木賞選考会が行われ「メンフィスの巨人」の著者で、現役プロ野球選手の田口壮(36)氏が決定した。田口氏は4度目の候 補で悲願の受賞となった。他の候補だった乙一 氏「飛行機ジェネレーション」、長谷川滋利氏「アメリカ社会のビジネスマナー」、菊川よしじ氏「世界の中心で、会いに行きます」は惜しくも受賞を逃した。

文藝春秋本社で喜びの会見を行った田口壮氏は、「作家活動を続けてきてよかった。野球選手として培った文筆経験が役立った」と満面の笑顔で語った。また、「次は芥川賞」と真顔で宣言して笑いを誘い、ユーモアの溢れた会見となった。

今回の直木賞受賞作「メンフィスの巨人」は、前評判の最低な日本人野球選手がメジャーリーグへ挑戦、マイナーリーグ降格などを経ながらも、最後は自身のプレイでチームがワールドチャンピオンに輝くまでをエッセイ風な文体で綴った自伝的小説。

選考委員の村上龍氏は、「独特のテンポ良い文体は親しみやすく、他候補を圧倒した」、辻一成氏も「人間の哀愁や、人物描写、心地好い笑いの技術も素晴らしい」と絶賛。選考会では全会一致で決定したという。石原東京都知事は「いいんでないの」と、4年ぶりに受賞作を褒め称えた。

田口氏は、これまでベストセラーを量産しながらも賞には縁が少なく、今回は連続4度目の候補で、遂に受賞となった。

<田口壮>
90年代からプロ野球選手として活躍。現役中から生活を綴った日記はその高い完成度から人気を呼び、03年に発表した「ラルーサといたあの頃」でオール読物新人賞を 受賞、本格文壇デビューした。細かな描写とユーモア溢れる文章は多くの共感を呼び、これまで累計500万部を数える。今回の「メンフィスの巨人」は田口氏 の自伝的小説で、発売当初から絶大な支持を浴びていた。